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パイロットカスタム845


『パイロットカスタム845』は、一昨年、昨年までは限定されたお店でのみの取り扱いだったが、今年から総合カタログに掲載され、フルハルターでも取り扱うことが出来るようになった。

私が『パイロットカスタム845』を推奨する訳は、エボナイトに国産漆の重ね(3回)塗りされている軸だからである。国産漆の重ね塗り、そしてエボナイト軸!!どこかで聞いた響き……。フルハルター10周年記念と同じではないか。漆、しかも国産、とても魅力的な素材である。昨年10月のパイロット85周年『飛天』以来、蒔絵・漆好きの私は『たつのおとしご』そして今回の『カスタム845』とパイロット製品のお奨めが続いた。

それは、私にとってパイロットが蒔絵師、漆職人を自社で育成し続けて来たがゆえの当然の結果である。『飛天』もそうだが、万年筆メーカー多しと言えども、パイロットでしか出来ない作品だからである。




パイロットカスタム845


(2019-10-21発売)
パイロットカスタム845



更に最も『カスタム845』をお奨めしたい訳は、ペン先である。15号、18金の軟らかいペン先。そして研ぎ屋の私にとって最も重要なのは、ニブポイントの形状。私の知る範囲では、パイロット製品のペン先では、10号・5号のペン先にコースというもの凄くでかく、長いニブポイントものが造られている。この<コース>はたまらなくいい。どんな形にも研ぎ出せるでかさだ。ただ、15号のペン先のニブポイントは<BB>までで<コース>はなく、しかも、それは短い。

しかし、しかしである。この『カスタム845』のニブポイントは、<B>も<BB>も見たが、長~いのである。嬉しい。ありがとうパイロットと、心で叫んだ。お客様が買われた845の<B>を見せていただいた時に、是非フルハルターで扱いたいと思い、<BB>を仕入れた。その<BB>のニブポイントを実際にルーぺで見る時はドキドキした。もしかして、あのお客様の<B>は、特別な形状でこの<BB>は今まで見ていた短いポイントだったら、ど~しよう。だが、Bよりも更にでかいポイントだった。嬉しかった。

腰が軟らかく、しかもでかいポイント。理想のペン先(もっと欲をかくと、コースなのだが)を今後扱える。フルハルターの多くのお客様が求めているペン先である。では実際に画像をご覧いただきたい。



パイロットカスタム845ペン先 パイロットカスタム845 BBニブポイント パイロットカスタム845 ニブポイント

 いいポイントの形状である。皆さんにお判りいただけただろうか。


845のラベル

845のラベル

キャップ裏側の純金を入れたURUSHIの表示

URUSHIの表示

さて、パイロット製の万年筆の中には現在販売されている万年筆の中で最高にお奨めしたい別のモデルがある。残念ながら、ペン先が<B>までしかなく、しかも短いポイントの形状である。このモデルに845の形状の<B>・<BB>のポイントのペン先がついていれば、とっくに皆さんにお奨めしていたのに。そのモデルにコースがつけば国産・舶来を問わずフルハルターの最も推奨するモデルとなるのだが。そんな日が来ることを切に願っている。



カスタム845仕様

キャップ・胴軸: エボナイト国産漆重ね塗り
太さ: キャップ … リング部 /15.9mm   
    エボナイト(漆)/ 15.4mm
    胴軸 …12.8mm
長さ: キャップ収納時 … 146mm 筆記時… 167mm
重さ:(プッシュコンバーター付き) 28g
ペン先: 15号 18金 F・M・B・BB
価格: 55,000円(税込み)