3Bとクロスポイント BからEF 森山モデル クロス キングコブラ
はじめにクロスポイントの未研磨と研磨後の拡大画像をご覧いただく。 「クロスポイント」という名前を聞かれたことはあっても、クロスポイントのペン先のこのような拡大写真を見るのは初めて、という方は多いと思う。
前回はペリカンの3Bとして研ぎ出された完成品と、森山モデルと呼ばれている角を落として丸く研ぎ出した後の画像を紹介した。今回のクロスポイントは、全く研ぎ出されていない2枚のペン先を張り合わした素材を研ぎ出した画像である。
前回のペリカンの画像と比べると、研磨前と研磨後の違いが判りやすいのではないだろうか。
画像のクロスは現在のクロスよりも少し古い方法のクロスで、張り合わされた2枚のペン先のポイント部分の重なり方をずらしていない。
言葉で説明しても理解しずらいことだと思うので、他のページで紹介している、ずらしたクロスポイントの画像と並べて比較して欲しい。
ペリカン3Bと同じく3方向からの画像だが、どの方向から写したかは特に説明しなくてもお判りいただけると思う。 何かご質問があれば遠慮なくお寄せ下さい。
左:全く研ぎ出されていない2枚のペン先を張り合わせた状態。右:研磨後の状態。
次にクロスポイントの「ズレ」をご覧いただく。その1のクロスポイントと比較してニブポイント(イリジウム)の位置がずれている。 その1のクロスポイントは、立てて書く人用、今回その2のズレは寝かせて書く人用と理解して頂いてよいのだが、その形状からお判りいただけるだろうか? お判りいただけなければ、両方の画像を比較して見ていただければ、楽しさが増すと思う。
左:全く研ぎ出されていない2枚のペン先を張り合わせた状態。右:研磨後の状態。
最後はクロスポイント New をご紹介する。
Newと言っても、もう1年くらい前からになる。その1・その2の画像と見比べて、どこが違うか、お判りいただけると思う。
その1(Old)・その2(Zure)と決定的に違うところは、上につくペン先のポイント(イリジウム)がカギ型に研がれて、下のポイントとかみ合っている。 長原さんは、このNewの方式をとても気に入っておられ、研ぎ師として研ぎは安定して、Old・Zureに比べて楽になった。
ただ使い手にとって書き味等で大きな違いがあるかというと、それはないだろうと思っている。確かにOld・Zureは、Newに比べて研ぎ出しは難しいのだが、特にZureを研ぎ出した時に書かれた線の表情は一種独特の筆の感じが出せて私は好きだ。
もっと安価なものであれば、皆さんにOld・Zure・New、そして更に研ぎ方もいろいろな形状にしたものを使っていただいて実感してもらいたいのだが。どうしても高価なものになってしまう為に、無理があるのが残念だ。せめてこれらの画像から想像の世界、イマジネーションの世界を楽しんでいただければ嬉しい。
左:全く研ぎ出されていない2枚のペン先を張り合わせた状態。右:研磨後の状態。